デジタル作画…きっかけ

  • 2019.02.01 Friday
  • 13:09

先週、「より良い新しいワークフローを模索しませんか?」と呼びかけたところ、「賛同します!」という御連絡を何件も頂きました。ありがとうございます!

是非、色々意見交換の場や、情報共有の場を持たせて頂けると嬉しいです。

 

さて、今週からしばらくは、弊社がデジタル化を進めていった経緯にそって、あったことを中心に綴りたいと思います。
前回同様、制作・経営者目線での実録です。

 


作業記録によると2015年1月28日。
私の携帯に、「動画を手伝って貰えませんか?」と、一本の電話が舞い込みました。

当時は、『君のいる町』と『人生』の制作協力で、チラホラ求人が届くようになってはいたものの、『てーきゅう』・『高宮なすのです』の放送が2015年の4月〜ですから、それ以前のこと。
普通に営業の電話をかけると「ミル…えっとなんですか?」と言われていた頃のことです。

「御無沙汰してます〜。A社でお世話になりました○○なんですけど、実はグラフィニカへ会社を移りまして…。今日は動画をお願いしたくてお電話したんですが、今、お時間大丈夫ですか?」
というお電話でした。
「えっと…本当に御無沙汰してます。私もガイナックスを退社しまして、会社を立ち上げたんですが、御存知ですか?」
「え?」
というところから。
結果、動画のお手伝いはさせて頂いたのですが「なんでA社辞めちゃったの?」という問いへの返答が「グラフィニカでデジタル作画の部署を立ち上げるという話になりまして…。それで異動の話になったんです」
「え、じゃあグラフィニカさんにはデジタル作画の部署があるってこと? 興味ある! 見せて下さいー!!」
興味津々の会話に、その動画のお仕事よりも先に私のグラフィニカ見学が決まり、制作君の元へと押しかけたのでした。

その時は、作画指導のスタッフと名刺交換をさせて頂いたところで、
「紙との共存を考えると手間が増えるだけだし、乗り換え難しいよ? 機材揃えるのにもけっこう投資がいるし、ちゃんと覚えるなら、指導スタッフと研修期間も必要。ウチも旭プロダクションさんに、お金を払って教えに来て貰ったんだ」
というお話を伺い、「まだ時期尚早だな〜」と思いながら、帰社したのでした。

 


※その時に教えて頂いた機材設備
□デスクトップPC
・インテルCore i5以上
・CPUファンは絶対つけること
・グラフィック機能の下限780以上
・SSD240GB
□Wacomの板タブ
□Logicool ロジクール アドバンス ゲームボード G13


始めはこの内容に加え、社内のPCに詳しい人の要望でインテルをi7にしたりメモリ16GB以上を意識してみたりしながら、機材一式を20万以内に押さえられるようにと準備をしていました。

ただ最近は、Dosparaさんから『旭プロダクション監修 CLIP STUDIO PAINT EX デジタル作画モデル』という推奨PCセットが、15万前後で購入出来るので、それで賄っています。

 


さて、本格的に作画のデジタル化を考え始めたのは、それからしばらく経った後。
『ベルセルク』というタイトルのお話を受けたところからです。

「CG作品として動かしたいんだけど、寄り表情とか作画はきっと必要になると思うから、ミルパンセさんから借りられない? 監督板垣さんだし、作画をお願いするなら監督が確認しやすいスタジオの方が良いじゃない」というお話。
「えっと…つまり、それってCGのラフがあって、必要な箇所を原画以降…みたいな話ですか?」
「うん、まぁ動きはCGで全コマ作る訳だし、色もついてるんだから、動仕まで終わった後のリテイク作監以降って感じじゃないかなぁ…。かぶせ修正が出来ると良いよねー」
「じゃあ、紙とのやりとり面倒だし、デジタル作画の方が良いですよね。何人必要?」
「4〜5人位じゃない?」
「なるほど…」

 

20万×5台=100万


『てーきゅう』『高宮なすのです!』の作品制作で社内に撮影・編集が常駐していたこともあり、それらのスタッフと相談の上、
「CGはコンテムービーが必要なんですよね? それウチで全話分やるから、線撮費用をうちに貰えないですか? コンテが出たら自動的に線撮に回って、編集上がりのムービーになって、監督チェックを通してCGへムービーを回せるなら効率的だと思うんですけど、どう? そこで貰える費用で5人分の機材投資費が出来ると思うから、検討してみて下さい!」
これが、初手の5人のPC費用を生みました。


※大概の作品で、絵と音の絡むタイミングでは線撮が発生しているのではないかと思います。

CT=コンテ撮 or ラフ原撮
AR前=ラフ原撮繰り上げ
DB前=原撮 or タイミング撮
→繰り上げがあっても無くても、話数一式グロスで20〜30万

バラの場合はコンテ撮¥100/秒・それ以外¥130/秒
…くらいがおよその相場感でしょうか。


つまりはスケジュールが潤沢にあり、スタッフが潤沢に居て、音響時のフィルム状況が良い状況を作れる場合にはかからない金額ですが、そうではない場合、1話につき20〜30万程度の費用が余分にかかるという事です。
ですが、この工程は出来上がりのフィルムに直接出る事はありません。
そして、本来順調に回っていれば発生しない作業なので、「この作業は私の仕事」と構えているスタッフもいないのです。
…であれば、社内にこれらの作業を出来るスタッフを育成してしまう方が、この金額を社内留保し、スタッフ投資や機材投資に回せるのではないかというのが、その時私が考えたことでした。


弊社制作の仕事として、デジタル作画主体の現場に切り替えてから極端に外回りが減った為、制作内で希望者を募り、その時間を使ってAEの基本事項を覚えて貰うことになりました。
20分もの全ての線撮を全行程制作だけで対応可能かというと難しいのですが、それでも作業時間内で対応可能な物量は自分達で線撮を行い、対応が難しい分の線撮を秒単価で撮影会社さんに相談をしていく形に切り替えることで、デジタル作画の機材維持費は確保出来るようになりました。

 

 

コメント
コメントする








    

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
2425262728  
<< February 2019 >>

もじde あずき

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM