デジタル作画についてァStylos

  • 2019.03.01 Friday
  • 16:14

今回は、ミルパンセが使用している『Stylos』というソフトについて、使用している理由も含めてまとめてみようと思います。

 

 

 

『Stylos』は『RETAS STUDIO』というパッケージで、セルシスさんから販売されているソフトウェアです。

現在は『ComicStudio』からの進化版『ClipStudio』も『RETAS STUDIO』の後継版として同じセルシスさんから販売されている為、そちらを活用されているスタッフさんのほうが多いかも知れません。

 

 

『RETAS STUDIO』のパッケージは、4つのツールで構成されています。
『Stylos』…原動画のための作画ツールです。
『TraceMan』…主に仕上げ会社で使用されています。スキャン時に「二値化」を選択する事で線を二値化し、実線レイヤーと色トレスレイヤーに仕分けする事が出来るツールです。デジタル作画上は使用しません。
『PaintMan』…『Stylos』のデータ、及び『TraceMan』でスキャンしたデータの情報(二値化した線・実線レイヤー/色トレスレイヤー等)を保持し、色彩をする為のツールです。色トレスレイヤー上の赤・青・緑の色トレス線は、含み塗りという機能もあり、とても便利です。
『CoreRETAS』…撮影ツールです。

 

これらは、パッケージとしてセットになって販売されているだけあり、全て互換性が良く、作成した情報が次工程のツールに引き継がれていきます。

開発時期などについては私の手元には記録として残っていないのですが、少なくとも2002年放送の『まほろまてぃっく〜もっと美しいもの〜』では、既に『TraceMan』・『PaintMan』を使用して仕上げ作業をしていましたから、その頃にはこのパッケージがあったという事かと思います。

 

作画のデジタル化について、私自身が初めて身近に感じたのは2004〜2005年頃。知り合いの作画さんが「デジタルで動画をしている」という話を聞いたところから。
2007年頃からデジタル作画をしているというフリーの原画スタッフさんとのお付き合いも始まりますが、私自身の身近なスタッフは紙と鉛筆で作業をされている人が多く、頂いたデータをプリントアウトしてタップ穴を付けて次に回す、という工程が直近の2016年まで続いていました。
作画ツールの勉強を始めたのも2015年以降となる為、それ以前の情報は手元にありませんが、デジタル作画に切り替える頃、調べていたソフトは下記。
・Stylos
・CLIP STUDIO
・TVPaint Animation
・Harmony

の4種です。結果、前述までの記事の通り、指導頂ける環境も含めて『Stylos』をメインツールにデジタル作画環境を構築していくことになります。

 

仕上げ工程は、当時『RETAS STUDIO』の他に『Animo』というソフトがありました。
線を一律二値化して塗る事で生産効率が上がる『RETAS STUDIO』に比べ、『Animo』は元の鉛筆の実線の質感を残し、色数も豊かな事が特徴でした。
比較的長くこのソフトを使用していた制作会社さんも記憶にありますが、仕上げ時の手間の問題から仕上げ会社が『RETAS STUDIO』優勢に切り替わっていって、『RETAS STUDIO』での仕上げ作品が増えていった印象がありました。

 

撮影工程は、当時『AfterEffect』をメイン使用する撮影会社と、『CoreRETAS』をメイン使用する撮影会社があったと記憶しています。
仕上げソフトとの互換性を考えると『CoreRETAS』が主流になっていくかと思いましたが、『RETAS STUDIO』の開発チームが2008年の最新版更新を最後に解散になったのと比べ、随時改善を重ねている『AfterEffect』が撮影処理の幅広さ等も含めて主流になっていきました。

 

…という事で、主に現在アニメの現場でメインに使用されているのは、仕上げ工程の『TraceMan』と『PaintMan』。撮影ツールはあまり使用されなくなり、作画ツールは各社バラバラの中、仕上げ工程との互換性の良さが特徴となり、動画工程を『Stylos』で作業している会社は比較的ありそうな印象です。

 

弊社でも他ソフトに乗り換えていく可能性はあるのですが、現在弊社がまだ『Stylos』を機能上選んで使用している理由になる箇所を紹介していきます。
機能紹介のページのURLも貼っておきますので、こちらを見て頂きながら確認頂けると、私の言葉足らずな部分もわかりやすいかと思います。


http://www.retasstudio.net/products/stylos/

 

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…これが、弊社が他ソフトに切替えない一番の理由になっている『Stylos』特有の仕様です。
上記の紹介ページでは『管理機能』のところに画像が載っていますね。
こちらの画像の一枚をダブルクリックすると、その原画が選択され、作画ウインドウとして立ち上がります。
作画ウインドウを閉じると記載した情報を残したデータがファイルプレビューアーパレットにも更新されて一目で見てわかります。
作画ウインドウで、修正レイヤーを乗せると、それらの情報も、作画ウインドウを閉じた時点で、ファイルプレビューアーパレットに更新されます。
アナログからの演出・作監チームが乗り換えていく際にも、制作が管理する際にも、素材管理が非常にわかりやすい構成です。

 

⊆太レイヤーと色トレスレイヤー
…これも『Stylos』特有の機能だと思います。色トレス線を何色か固定してパレットを作って置く事で、ペンを選ぶと既に『色トレスレイヤー』の『選択色レイヤー』に記載しているような状況になります。
赤ペンを選ぶと色トレスレイヤーの中で赤色レイヤーに描かれているという認識になるようで、例えば色トレス線の赤・緑の交差している部分を作監が修正で直したい…等と考えた時には、赤ペンを選択してから消しゴムツールを使えば、緑を消さずに赤だけ消せる…といった具合です。
他ソフトでもレイヤーを分けることで同様の作業が出来るのですが、レイヤー迷子になりそうな位レイヤー数が増えてしまうので、ここも『Stylos』の特筆すべき長所だと思います。

 

『PaintMan』との互換性
繰り返しになりますが、これらの作画ウインドウデータが、全て仕上げ工程にも引きつげる互換性の良さが特徴です。
合成親は実線色とあきらかに違う色にして、合成時に使用する箇所と消す箇所がわかりやすいようにしたり、『PaintMan』で含み塗りが出来る色で色トレス線を描く事で仕上げ時の効率を上げたり、そういった連携がとりやすいのも魅力の一つです。

 

一点、大きな問題点があるとすれば、このソフトは既に開発チームが解散してしまっていることです。ですので不具合が出た時に改善される見込みがありません。
ただ、そこも私は実はプラスと捉えていて、「一度不具合を洗い出してしまえば『問題点がハッキリしている』という点で、そこだけ解決策を考えれば良いのだから、魅力のひとつなんだよ」と言っています。

 

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