デジタル化所感 その1

  • 2020.09.29 Tuesday
  • 00:00
 おはようございます。白石です。
先週、珍しいお客様がやって来ました。

「デジタル作画を進めているワークフローとか、システムについて、お話訊かせて下さい」ということでした。
模索中の事も大概はブログのネタにしているし、そもそも会社毎に狙いが違いうのが当然で、わざわざ御足労頂いても役に立つのかしらん?…と不安に思いながらお話の場を持ったのですが、前向きに動こうとしている方たちとの話の場はとても楽しくて、あっという間に時間が経ちました。

「経営者目線の話を訊きたい」みたいな話もあったのですが、後ろに打ち合わせが控えていて時間切れとなってしまった為、「もう少し話せることがあったんじゃないかな…」と思い、本日の更新となりました。 

 

 

 

 


今年の初め頃でしょうか…。
『デジタル化に寄せる希望』というブログ記事を書いたので、その内容ともかぶりますが、弊社で『作画のデジタル化』を図った際に一番に重要視したことは
・データの共有
・データの蓄積
・データの透明化
の3点でした。


最近昔話が多いなぁ〜と思いつつですが、私が制作という仕事を始めてから20年になります。
当時はまだ、『セル画』に絵の具を塗ったものを連続撮影し、現像所で現像をして貰っていた時代。
前職で調理の仕事をしていたので「寸胴鍋より軽いです」と笑いながら運んでいましたが、セルを運ぶ工程は普通に『力仕事』。
ですから、当時は女性の制作進行は非常に少なかったと記憶しています。

人間、100%完璧なんて事はありえなくて、何かを立てれば何かが崩れるのが普通です。
人海戦術で進めている『アニメの現場』は、当然エラーも鼠算式に増えていき、その中でクオリティとスケジュールのバランスを保ちながら、作品を納品まで漕ぎつけるのが制作のお仕事。
「何を優先し、何を飲み込むのか。それらの判断をしながら動くのが、制作として当然の仕事」と教わるのですが、鼠算式に増えて行くエラーに対応して、一人で回し切るのは大変です。
20年を経た今となっては「コレ、無理ゲーでしょ」と言っていますが、当時は「コレが自分が選んだ仕事なんだ」と信じて必死でした。
私自身の我の強さも相まって、「女はすぐに感情的になる」「話が通じない」と現場からは怒られ、会社からは「なんで〇〇さんの上がり、上がってないんだよ。本当に終わるのか?」と怒られ、「さぁ、どうしよう…」と縋ったのが「日報は嘘をつかないんだよ」という当時SHAFTの制作部長だった、現SHAFT社長の久保田さんの言葉。


1日平均2カットずつ原画を上げてくれるスタッフの残り手持ちが10カット。
残り3日で上げようとするならば、そこには策が必要です。
上司の助言に従い、原因を『事象』に限って、本人に相談をしてみると、

・本人由来の事象で、本人に対応頂ければなんとかなる場合
・カット自体の内容由来の事象で、本人ではどうにもならない場合

があることが見えて来ます。
本人由来の事象の場合は、上司へアラート報告をしながら本人に対応を頂く為の対応を重ねていきますが、カット自体の内容由来の場合には、そこについて上司も交えてさらに踏み込んだ相談が必要となります。


演出・作監も同様です。

技術的な判断に自信がない初心者の私は、まずスタッフの作業結果を数字でアベレージとして残しながら、エラーの事象・相談内容・対応結果を全てノートに記録として残していくことにしました。
そして1年もすると「こういうエラーに繋がりそうだから、事前に保険をうっておこう」等、エラーが起きる前に対応策を考えるようになります。
…ところが、その保険をうった動きそのものが、半分エラーを生むのです。
保険をうたなかった場合の検証は出来ていないので、動かなかった場合のことはわかりませんが、動いておきたエラーは、エラーの一つとして、事象・相談内容・対応結果を同様に記録として残していきました。

それらが4〜5年を超えたあたりで『動けばどうせ半分エラーになるんだから、起こすエラーの方向を考えられないのかな』と思うようになりました。
当時、ガイナックス社内に在籍していた原画さんが「白箱を見て『成功した』と思うカットなんて、3割もあれば良い方かな」と言っていたのを聞いて、「私から見ると神作画なのに、本人の目が肥えるとコレでもエラーになるんだ…」と驚いたことも後押しをしているかも知れません。

結果「誰が、どんな善意で動いても、動けば半分エラーになるなら、なるべく早くにエラーを起こして、改善を繰り返す方が良い」という結論に至ります。

会社を興してビジネス書を読むようになった頃、『PDCAサイクル』という言葉を知り、「あ、社会人としては常識なのね」と気づくのですが、私の中では『日報は嘘をつかない』という当時の上司の言葉として定着しました。

 

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もじde あずき

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